プロセスレコード
検討会

〜 持ち寄って、聴き合って、「自分」を見つめる 〜
講師:古賀 慎一(精神科看護師)
2026年9月11日(金)/ 佐賀市医師会立看護専門学校 2年生
🍀 第6回
🎯 いきなり、国試問題!

第111回 看護師国家試験 より(改題)

プロセスレコードを用いた検討会で、
看護師にとって最も重要な目的はどれか。

  • 1患者の症状を正確に診断する
  • 2看護記録の質を高める
  • 3自分の関わりのパターンに気づく
  • 4同僚に自分のケアを評価してもらう
🤔

答えは…

この90分の 最後 で明らかになります 🌱

🍀 最終回

これまでとは違う、
「あなたが主役」の時間

これまで5回、私が前で話す時間でした。

でも今日は違います。

🌱 主役は、実習を経験した あなたたち自身
持ち寄ったプロセスレコードを共有して、
お互いから、そして自分自身から学びます。
SECTION 1 ・ 8分

検討会とは

— なぜ「持ち寄って共有する」のか —

🍀 最終回

プロセスレコード検討会とは

実際に体験した看護場面の記録を持ち寄り、
仲間と共に振り返ることで、
自分の関わりの「クセ」「強み」「課題」に気づく学習法。
  • 📋 教材は「教科書」ではなく「あなた自身の経験
  • 👥 1人で振り返るより、仲間の視点が新しい気づきをくれる
  • 🪞 自分では見えない「自分」が、他者の鏡で見える
🍀 最終回

持ち帰ってほしいこと

1

自分のコミュニケーションのクセを発見する

「私はこういう時こう反応しがち」を言語化できる

2

仲間のレコードから新しい視点をもらう

「そういう関わり方もあるのか」と気づきを得る

3

自分なりの「次回の課題」を1つ決める

来週の実習・現場で実践してみたいことを言語化

🍀 最終回

2つのプロセスレコードを、みんなで検討

  • 📋 選出された2つのレコードを、全員で共有
  • 👥 4〜5人グループを作って、それぞれ検討
  • 🪞 1例ごとに:個人で考える(5分)→ グループで議論(15分)
  • 🌱 最後に 「自分の傾向」 を言語化して持ち帰る
💡 発表者の経験を「他人事」にしないこと。
その場面に 自分を置いて 考えるのが、検討会の核心です。
🍀 最終回

「もし、私があの場面にいたら…」

発表者のレコードを聞きながら、
常に 「自分を投影」 してください。

「私だったら、何を感じる?」
「私だったら、何と言う?」
「私だったら、何ができる?」
🌱 これが、他人の経験を自分のものにする唯一の方法。
「あの人の話」で終わらせず、「私の学び」に変える視点です。
🍀 最終回

レコードに書かれている、3つの欄

👀

① 患者の言動

何を言ったか・何をしたか

💭

② 私が感じたこと

どう思ったか・感じたか

💬

③ 私の反応・言動

私が何と言い、何をしたか

💡 検討会で特に深掘りしたいのは、②「私が感じたこと」
そこに、書いた人と「あなた」両方のクセが見えてきます。
🍀 最終回

安心して話せる場所をつくる3つの約束

  • 🚫 否定しない:「それは違う」「ダメ」は禁句
  • ⚖️ 評価しない:「上手・下手」「正解・不正解」は持ち込まない
  • 🤐 守秘義務:患者情報・他者の発言は外に持ち出さない
💚 ルールがあるから、本音で話せる。
本音で話せるから、本物の気づきが生まれる。
SECTION 2 ・ 20分

1例目を検討する

— 自分を投影しながら、深く読み込もう —

🍀 最終回

発表者:◯◯さん(提出者)

▼ ここに、選出された1例目の場面を表示します

場面の概要:(例:精神科病棟・実習3日目・午前のレクリエーション後)
患者情報:(例:H氏 50代男性/統合失調症/入院30日目)

① 患者の言動:……
② 私が感じたこと:……
③ 私の反応・言動:……

発表者からの問い:……

💡 講師が当日、選出した実物レコードをここに差し替えます。
📝
個人ワーク・5分

1例目に「自分を投影」して
5つの問いに答えよう

📋 ノートに書いてみよう:

私が同じ場面にいたら、何を感じる?

私だったら、何と言う?/何をする?

③ 発表者の対応で 「いいな」 と思った点は?

④ 発表者の対応で 「自分なら違う」 と思った点は?

⑤ この場面で、患者は 本当は何を求めていた

⏱ 個人で5分
👨‍👩‍👧‍👦
GROUP WORK・4〜5人で

1例目を、グループで検討

👥 4〜5人グループで、5つの問いの答えを共有(15分)

🗣 進め方:1人ずつ発言 →「私もそう思う」「私は違う気がする」

特に深掘りしたいポイント:

 🔍 「もし自分があの看護師だったら」と 具体的に 想像する

 🔍 同じ場面でも、感じ方・対応の違い を尊重する

💡 「正解」を1つに決めない。多様な視点が出てくることが学び。

⏱ グループで15分
SECTION 3 ・ 20分

2例目を検討する

— もう一つの場面に、もう一度「私」を投影 —

🍀 最終回

発表者:◯◯さん(提出者)

▼ ここに、選出された2例目の場面を表示します

場面の概要:(例:精神科外来・初回面接の付き添い)
患者情報:(例:I氏 30代女性/うつ病/復職前)

① 患者の言動:……
② 私が感じたこと:……
③ 私の反応・言動:……

発表者からの問い:……

💡 1例目と違うタイプの場面を選んでいます。比較しながら考えてみよう。
👨‍👩‍👧‍👦
個人5分 → グループ15分

2例目も「自分を投影」
そして、1例目と比べる

📝 個人で5分:1例目と同じ5つの問いに答える

👥 グループで15分:

 ① 2例目の検討(同じ流れで)

 ② 1例目との違いを話し合う

 ③ 「2つに共通する大切なこと」を1つ見つける

💡 違うケースに同じ自分を投影することで、自分の傾向が見えてきます。

⏱ 合計20分
SECTION 4 ・ 12分

自分の傾向を
見つめる

— 2例の検討から見えてきた「私」 —

🍀 最終回

看護学生によくあるコミュニケーション傾向

🛟

救助者タイプ

何かしてあげなきゃと焦る/沈黙が苦手

📚

正解探しタイプ

「正しい関わり方」を探してしまう/本心が出せない

😊

共感過多タイプ

患者の感情を抱え込みすぎ/巻き込まれる

🛡

距離を取るタイプ

深い話を避ける/表面的な対応で精一杯

🌱 どれが「悪い」ではない。気づくことから始まる。
🪞
個人ワーク・3分

2例検討した今、
自分のクセはどんなクセ?

📝 3分間、自分に問いかけてみよう

① 2例とも、「私だったら〇〇する」と似た反応をしていなかった?

② その反応は、4タイプのうちどのクセに近い?

③ そのクセが 役に立つ 場面はどんな時?

④ そのクセを 少し緩めたい 場面はどんな時?

⏱ 個人で3分
👥
PAIR WORK・2人で

気づいたことを、
隣の人と共有しよう

🗣 ペアで6分(3分ずつ):

「私のクセは◯◯タイプ。特に△△の場面で出る。
これからは、□□を少し意識してみたい」

💡 聴き手は、ただ 「うん、わかる」 と聴くだけ。
アドバイスは不要。気づきを言葉にすること自体が学び。

⏱ 合計6分
🍀 最終回

来週の自分に、1つだけ約束しよう

📝 「私は次の実習・現場で、
◯◯ を試してみる」

小さくていい。例えば:

  • 🌱 「沈黙を3秒、こわがらずに待ってみる」
  • 🌱 「『正解』を言う前に、まず聴いてみる」
  • 🌱 「自分の感情を、その日のうちに言葉にする」
SECTION 5 ・ 7分

全6回の
振り返り

— あなたが手にしたもの —

🍀 最終回

あなたの中に、もう全部ある

  • 1️⃣ リカバリーと個人的回復の視点(第1回)
  • 2️⃣ べてる・WRAP・ピアサポートの実践(第2回)
  • 3️⃣ 安全と自由のジレンマと向き合う力(第3回)
  • 4️⃣ 身体観察の専門性(第4回)
  • 5️⃣ 副作用と合併症を見抜く目(第5回)
  • 6️⃣ そして今日、「自分」を見つめる道具(第6回)
🍀 最終回
🎯 冒頭の国試問題、回答編

第111回 看護師国家試験 より(改題)

プロセスレコードを用いた検討会で、
看護師にとって最も重要な目的はどれか。

  • 1患者の症状を正確に診断する
  • 2看護記録の質を高める
  • 3自分の関わりのパターンに気づく ✨
  • 4同僚に自分のケアを評価してもらう

正解:3

🍀 最終回

検討会は 「自分」 を発見する場

  • 1番:診断は医師の役割(看護師ではない)
  • 2番:看護記録の質向上は別の取り組み
  • 3番:自分の関わりのパターン気づき ← これが本質
  • 4番:評価ではなく、自己理解が目的
🔑 国試では「看護師の自己理解」「振り返り」「セルフリフレクション」がキーワード。
🍀 最終回
🎯 もう1問!応用編

逆転移への気づき

プロセスレコードの振り返りで「逆転移」に
気づいた看護師の対応として適切なのはどれか。

  • 1その患者の受け持ちを直ちに辞退する
  • 2自分の感情に気づき、関わりを調整する
  • 3感情を抑え込み、感じないようにする
  • 4患者にその感情を伝えて理解を求める
🍀 最終回
💡 解答

正解は…

  • 1受け持ち辞退 ← 極端、まずは気づきと調整
  • 2自分の感情に気づき、関わりを調整 ✨
  • 3感情を抑え込む ← 逆効果、抑圧は危険
  • 4患者に伝える ← 治療関係を壊す可能性

気づき → 受容 → 調整 がプロの対応。

🍀 最終回

あなたへ、しんから

プロセスレコードは、
あなたが 「看護師であり続ける限り」 使える道具です。

新人の時も、ベテランの時も、迷う日が必ずあります。
その時、今日の検討会を思い出してください。

1人で抱え込まず、書いて、誰かに話してみる
そして、「もし自分なら…」と問い続ける。
それだけで、答えはあなたの中から見えてきます。

全6回、本当に
お疲れさまでした 🌱

今日、あなたが言葉にした「自分のクセ」「次の課題」は、
必ず、誰かの「回復の旅」を支える力になります。

自信を持って、実習へ。そして国試へ。
また、現場のどこかで会いましょう。

終講試験:10月7日